美しい歌 ~好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

Martha

Martha
(Tom Waits)


◆マーサ◆



交換手、番号を頼む。もう何年もたってるんだ
あいつは俺の声を覚えてるかな。
もしもし、マーサか? 俺だよ、トム・フロストだ。
これは長距離電話なんだ。料金のことは気にするな
もう40年以上たつね。マーサ思い出してくれ
今度お茶でも飲みながら話をしよう



あの頃はバラの日々だった、詩的であり世俗的であり
そして、マーサ、俺には君だけ、君には俺だけだった
明日なんて日はなくて、悲しいことは全部無いことにしていた
そんなことは雨の日だけ思い出せばよかった



俺もずいぶん年を取ったし、君もそうだ
旦那や子供はどうだい? 俺も結婚したの知ってるか?
君がいい人を見つけて救われたのは良かった
あの頃俺たちは若くてバカだった。今は円熟したけどね


★くりかえし



俺はいつも衝動で動いてた。たぶん今も変わってないが
そして困ったことには、俺は男だと言うことだった
たぶん俺たちは一緒になる定めにはなかった
それでもマーサ、マーサ、俺は君のことを愛してる。わかるだろう?


★くりかえし



君のそばで震えていた静かな夜を思い出すよ




※※※
トム・ウェイツTom Waits)らしい歌です。
愚かな男の純真さ、とでも言えるのでしょうか。
もし、実際に40年もたってからかつて付き合った人にいきなり電話をかけたりしたら、かなりの顰蹙物だと思います。
それでもを夢想だけならしてみる人は結構いるのではないでしょうか。
だから、この歌はこんなに感動的なのだと思います。