美しい歌 ~好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

Halo

Halo
(Beyoncé Knowles, Ryan Tedder, E. Kidd Bogart)



◆光輪◆


私が築いた壁を思い出して
ああ、それが全部崩れていく
何の抵抗もなく
音さえ立てず


あなたを受け入れる方法は見つけた
だけど不安はまったくない
あなたが放つ光の中に立ち
私は今天使を見つけた


目覚めたような感覚
私が守ってきたあらゆるルールを、あなたは壊していく
覚悟はいるけど
それでも決してあなたを拒絶などしない


★1
今私はすべてを見渡している
あなたの抱擁に包まれて
あなたの輝きが見えるわ
あなたは私の最後の救い


★2
あなたは私を補ってあまりあるもの
あなたの顔に全部書いてある
あなたの放つ光を感じているのよ
ああ、薄れていきませんように


★3
 あなたの光が感じられる
 あなたの光が見える
 あなたの光が感じられる
 あなたの光が見える



太陽の日差しのように私を打つ
私の漆黒の夜を通して燃えさかる
あなたこそが私の求める唯一のもの
あなたの光がなくては生きていけない


私は二度と地に堕ちるようなことにならないと誓った
だけど、これは堕ちていく感じじゃない
引力があって
私を地面に引き戻すのよ


目覚めたような感覚
私が守ってきたあらゆるルールを、あなたは壊していく
覚悟はいるけど
それでも決してあなたを拒絶などしない


(★1、2 繰り返し)


(★3 2回繰り返し)



(★1、2 繰り返し)


(★3 2回繰り返し)




※※※
「あなた」が放つ光に包まれる幸福感、高揚感がそのまま歌詞とメロディになったような歌です。それがビヨンセの声とコーラスで歌われ、最高の効果をもたらしています。

ビヨンセ(Beyoncé)の「Halo」、日本でのタイトルもそのまま「ヘイロー」です。
題名の「Halo(読み:ヘイロー)」は、日本語に訳するなら「後光、光輪」で、宗教画の聖人や天使の頭の後ろに描かれる光のことです。
そのほか、太陽や月にかかる光の輪も「ハロー」と呼ばれます。そのものが光り輝くことで、周囲を照らし出すようなものという感じだと思います。
(「ハロー効果」という心理学用語もあります)
ですが、直訳である「後光」という日本語では、仏様に対してありがたいと手を合わせるようなイメージになってしまいそうで、どう言う言葉にするか、少し困りました。
初めに、意味合いに重なる部分があるか考えて「オーラ」にしてみたのですが、このPVをみたところやっぱり合わないと感じられました。
結局、そのイメージそのまま「(あなたが)放つ光」「輝き」としました。
もっと語彙や表現力を増やしたいな…と思いました。
(そんな時はしょっちゅうですけど。(^^;))

Night Bethlehem

Night Bethlehem
(Alfred Burt)


◆夜のベツレヘム


真冬の夜のベツレヘム
ノエル ノエル ノエル
貧しい羊飼い達は美しい光景を見た
天の使いが輝く牧場に
天の高きところから光を放ち
そして祝歌を歌うのを


平和と善いことを幼き救い主は運んでくる
ノエル ノエル ノエル
そして悪しきことから総ての人を守ってくれる
なぜなら天使の歌に歌われたこの人は
主の中の主、王の中の王だから
それゆえ祝歌を歌え


ゆえにキリスト教の民よ恐れを捨てよ
ノエル ノエル ノエル
そして福音を広くあまねく広めなさい
クリスマスには大いに喜び
神なるキリストを賛美せよ
それから祝歌を歌え




※※※
ルフレッド・バート(Alfred Burt)のクリスマスソングを紹介するのはこれで2曲目です。
前は4年前、「Caroling, Caroling」という曲でした。
その時も書きましたが、アルフレッド・バートの曲はシンプルで美しく、更にしっとりとした印象があり、とても好きです。
この歌も、初めて聞いたのは高校生ごろだったと思いますが、大人っぽい響きで聞いた瞬間から好きになりました。


キリスト誕生の日の出来事とその意味を、耳にすっとなじむ言葉とメロディ(ハーモニーも)に乗せられて歌われています。

Where Do Broken Hearts Go

Where Do Broken Hearts Go
(Frank Wildhorn and Chuck Jackson)



◆壊れた心はどこへ行くの◆


あれからずいぶん時は過ぎたけど
私の心に残っているものがあるのよ
私はもう変わってしまった
あの寒い11月の日から…
私たちには場所が必要だったのに
見つけたのは空っぽの空間だけ
そして私が学んだことは
あなたがそばに必要だと言うこと…


だからここにいるの
あなたに教えてほしいから…



壊れた心はどこに行くの?
安らげる場所は見つけられるの?
腕を広げて待っている
愛の元へ帰れるの?
もし誰かがあなたを愛しても
その人はあなたをいつでも愛してくれる?
あなたの目を見つめれば
まだ私のことを思ってくれてるのがわかる



色々経験してわかった
夢は黄金には変わらないってこと
たやすい道はなく
逃げだすこともできないってこと
私たちが手にしているものは
昔よりずっと多いということ
それからどんなにがんばっても
あなたはいつでも心の中にいるということ


★(繰り返し)



そして今私はここであなたと共にいる
もう決して離さない
あなたの瞳を見つめ
そして今わかる


★(繰り返し)





※※※
ホイットニー・ヒューストンの歌の中で、私が好きな上位3番までに入る曲です。
初めて聞いたのはほかの人のカバーでだったのですが、本人の歌も好きです。
今回探したのですが、残念ながら、そのカバーバージョンは見つかりませんでした。

Waterloo Road

Waterloo Road
(Mike Deighan, Mike Wilsh)



◆ウォータールー通り◆


今日通りを歩いていたら
女の子に行き会った
どこに行くのと訊ねたら
「一緒に来ない?」と答えた
彼女に連れられこの通りに来て
彼女の仲間に会うことになった
そこで僕たちは立ち止まっておしゃべりした
時間を忘れてね



ウォータールー通りを歩いていれば
ウォータールー通りを歩いていれば
金曜の夜でも土曜でも
いつの夜でも、いつの昼でも
探しているものに出会えるよ
ウォータールー通りを歩いていれば



この地下を下りたところで
僕たちは幸せそうな奴に会った
ギターでケークウォークを弾いていた
一晩中
弦をきしませてたけど
その音楽は心をとらえた
みんなその輪に加わって
一緒にその歌を歌ったんだ


★(くりかえし)



鳥たちがさえずりはじめ
僕たちはみんなちょっと寝不足
朝がやってきて
月は引っ込んだ
だけどこの気分は終わらない
この歌はまだ耳に響いている
僕がこの通りを歩いて
この歌を歌っている限りはね


★(くりかえし)










※※※
シャンソンとして有名な「オー・シャンゼリゼ(Les Champs-Élysées)の元の歌です。
明るくほのぼのした印象のフランス語版より、私はこの英語版の歌詞のほうが好きです。
知らない女の子に出会ったところから始まったわくわくする出来事…というちょっと不思議な物語のようなところが良いと思います。

San Diego Serenade 【2回目】

San Diego Serenade
(Tom Waits)


◆サン・ディエゴ・セレナーデ◆



初めて朝を見たのは、夜通し起きていたときだった
初めて日の光を見たのは、明かりを消したときだった
初めて故郷を見たのは、あまりに長く離れていたときだった
初めてそのメロディーを聴いたのは、歌が必要になったときだった


初めて白い線を見たのは、君を置き去りにしたときだった
初めて君が必要だと気づいたのは、苦境につかまったときだった
初めて君を愛していると口にしたのは、いたずらに君を傷つけたときだった
初めて自分の心の琴線を感じたのは、ほとんど気がふれたときだった


初めて東の海岸を見たのは、西に移住したときだった
初めて月の光を見たのは、君の胸がその光を映したときだった
初めて君の心を見たのは、誰かが盗もうとしたときだった
初めて君の涙を見たのは、君の頬を流れ落ちたときだった


初めて朝を見たのは、夜通し起きていたときだった
初めて日の光を見たのは、君が明かりを消したときだった
初めて故郷を見たのは、あまりに長く離れていたときだった
初めてそのメロディーを聴いたのは、歌が必要になったときだった





※※※
この歌は、以前も取り上げました。
http://d.hatena.ne.jp/threeleaves/20110611/1307794120
ブログ始まって初の、同じ曲を扱った訳です。(間違いが多かったのでやりなおしたのはありましたが。(^^ゞ)


前に載せた時、訳をどうするかすごく悩みました。
というのも、この歌詞が、例えば1行目だと
Never saw the morning till stayed up all night
というもので、
日本語の語順できれいに訳するなら、
「夜通し起きているまで、朝を見ていなかった」となるのですが(これは前回の訳)、
歌としてメロディに載せると
「決して見なかった 朝を 起きているまで 一晩中」
と聞こえてくるのです。


文として自然にするか、歌として心に響いてくる順にするか。
英語と日本語の語順は違うので、悩むことがよくあります。
これまで扱った曲の中には、直訳ではないけど聞こえてくる順を重視したものもあります。


この歌に関しては、前回は悩んだ末に1行ごとに日本語の訳としての正確さを選びました。
でも、改めて歌詞を聞いていて、「やっぱり英語のこの語順だからこその味があるな」と思い、聞こえてくるように訳してみることにしたのです。


といっても、以前のも、あれはあれで間違いというわけではないと思うので、
別の訳として新しい記事にしました。
基本的には同じ訳で、語順の問題です。語順を変えたので、日本語として自然にするために内容が変わっていますけれど。
かなり印象が変わってくることと思います。
トム・ウェイツの歌としては、こちらの歌詞のほうが「正しい」かなぁ、と思います。


んんー、だけど「初めて」はちょっとニュアンスが違いますね。(だから前回はこの訳を採用しなかったんだな(^^ゞ)
もっと良い訳の言葉が見つかったら、直すかもしれません。