Grapefruit Moon
◆グレープフルーツの月◆
グレープフルーツの月、星がひとつ輝いて、俺に光を落とす
あの調べを耳にして、今俺は思い焦がれている…わかるだろうか
だってあのメロディーを聴くたびに、俺の中で何かが壊れるんだ
グレープフルーツの月、輝く星ひとつ、時の流れは戻せない
行き先を定めたこともなく、どの道もゆけず
君は俺の生きる力となったが、しかし代償も大きく
だってあのメロディーを聴くたびに、俺の中で何かが壊れるから
グレープフルーツの月、輝く星ひとつ、俺には隠しようもない
今たばこをくわえつつ、俺は純であろうとしている
星たちのように名もない闇に紛れてゆく
だってあのメロディーを聴くたびに、俺は崖っぷちに追い詰められる
グレープフルーツの月、輝く星ひとつ、目に映るのはそれだけ
※※※
明るい黄色で、大きくてまん丸の月。その下で懐かしいメロディに心乱れる思いでいるのでしょうか。
なんとなく「月見れば千々にものこそかなしけれ」という和歌を思い出します。
物憂げな歌詞は、トム・ウェイツならではの美しさですね。
トム・ウェイツのほかに、ナンシー・グリフィスがカバーしています。「Ruby's Toach」というアルバムに収められていますが、これは切ない愛の歌を集めたアルバムです。(アルバムのタイトルは、同じくトム・ウェイツのカバーの「Ruby's Arms」から取っていると思われます)
恋愛の歌としたのかもしれませんが、それ以上の深い意味があるように感じたので、私のブログでのカテゴリには、「人生の歌」としました。