美しい歌 ~好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

Goodnight to a Mother's Dream

Goodnight to a Mother's Dream
(Nanci Griffith)



◆母親の夢にお休みを◆


瓶のふたをはじいて月の輪にくぐらせる
たった一人の土曜の夜、降るような星
私は母の夢の姿だった
この丘に家を建てたのは
全部私の意志
私には二人分には十分な愛があるけど
それは私と昔なじみの月のためのもの


海をゆく水夫達
彼らはみんな船長の娘を求める
彼女の美と若さを求める
海に突き出した彼らの舳先を美しく飾るために
私はもう若くないし、
見てくれも悪い
母の夢がつまった陸に降り立つ
たぶんお母さんは気づかなかったんだ
ただ愛こそが
娘に必要なものだったって



私は弱った心
壊れる価値もない
私は遅咲きのバラ
母親の夢だけを抱いて
この人の通らぬ道で
誰が本当に分かっているのか
たぶん弱り切った心こそ
本当に美しいものだと



瓶のふたをもう一つ月に向かってはじく
たくさんの仕事を告げる朝の電話
でも部屋に入って後ろ手にドアを閉めると、
お母さん、本当のことを言うわ
あなたの夢は放り出したくなる
愛する人からの
愛しているという言葉を聞くために



お休みなさい、お月様
「愛してる」と月に言おう
そして母にも
お月様、ブエノス・スエニョス(良い夢を)




※※※

日本人は昔から月に特別な思いを寄せてきましたが、こんな歌を聴くと、西洋の文化でも似たような感情があるのかな、と思います。
私のこのブログで紹介した訳でも、いくつか月に関して歌ったものがあります。(「Memory」や「Grapefruit Moon」など)
この際なので、「月の歌」というカテゴリを作ることにしました。
だけど、そのほとんどが「人生の歌」のカテゴリと重なるんですね。やはり西洋でも月を見ては思い悩むということに共感を持つ人が多いのでしょうね。