美しい歌 ~好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

The Blue Bird

The Blue Bird
(Mary E. Coleridge)


◆青い鳥◆



湖が丘の下に横たわる
その上を見上げれば、そこには飛ぶものが
冷たく静かな水面を横切る
薄青色の翼の一羽の鳥


頭上の空はついに青く
眼下の空はどこまでも青く
その鳥が飛び去るその瞬間
羽ばたくその姿をとらえた



The lake lay blue below the hill,
O'er it, as I looked, there flew
Across the waters, cold and still,
A bird whose wings were palest blue.


The sky above was blue at last,
The sky beneath me blue in blue,
A moment, ere the bird had passed,
It caught his image as he flew.





※※※
作者は丘の上にいて、空は青く、その空を映した真っ青な湖に、飛んでいく青い鳥が映ったという情景の詩です。
美しい情景をそのまま表すように詩は、きれい過ぎて翻訳不可能です。
曲もすごく感じが出ています。特に幾度か繰り返される高音部の「Blue...」と歌う音が印象的で、透きとおるような青色が目に浮かんでくるようです。


メアリー・コールリッジ(Mary E. Coleridge)(1861-1907)というイギリスの作家・詩人の詩に、スタンフォードが作曲した合唱曲です。
詩のオリジナルのタイトルは、「L'oiseau bleu」(フランス語でThe Blue Bird)です。
詩の方は、「Poems」という詩集に収められ、合唱曲は「8つのパートソング」という曲集の1つです。