美しい歌 ~好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

When I Am Dead, My Dearest

When I Am Dead, My Dearest
(Christina Georgina Rossetti)


◆私が死んだ時には◆



私が死んでも、大好きな人よ
私のために悲しい歌を歌わないで
私の枕辺にバラの花を植えないで
木陰を作る糸杉もいらない
私の上には
降りそそぐ雨と露にぬれる緑の草を
そして私のことは思い出すなら思い出し
忘れるなら忘れてください


きっと私には影は見えない
雨を感じることもない
嘆きのように歌うナイチンゲールの声も
聞こえない
ただ夢を見続けていることでしょう
日が昇ることも沈むこともない黄昏の中
ふと思い出したり
また忘れたりしていることでしょう

 
  
 
When I am dead, my dearest,
Sing no sad songs for me;
Plant thou no roses at my head,
Nor shady cypress tree:
Be the green grass above me
With showers and dewdrops wet;
And if thou wilt, remember,
And if thou wilt, forget.


I shall not see the shadows,
I shall not feel the rain;
I shall not hear the nightingale
Sing on, as if in pain:
And dreaming through the twilight
That doth not rise nor set,
Haply I may remember,
And haply may forget.



※※※
イギリスの詩人クリスティナ・ロセッティ(Christina Rossetti 1830-1894)による詩です。
美しい詩なので、合唱曲や声楽曲など、様々な人が曲をつけています。
日本語でも、吉田映子と内藤里永子が訳したものに木下牧子が曲をつけた合唱曲「私が死んでも」(歌曲集「C.ロセッティの4つの歌」)があります。

ロセッティの詩は、シンプルな言葉だけど印象深いものばかりです。
この詩は、1行目を取って「When I Am Dead, My Dearest」と呼ばれることもありますが、ロセッティ自身がつけたのは「Song (歌)」です。
死後に何も求めずあるがままであろうとする内容と、タイトルで何も訴えない言葉がぴったりで、これもまたとても心に残ります。


●Marijanhが作曲、歌っているのも本人です。
 かっこいい歌で、上の訳の言葉も変えたくなってきます。

 
●Coleridge-Taylor作曲、アルトの声楽曲。


●Sjoerd Alberdaaが作曲した声楽曲


木下牧子による声楽版「私が死んでも」(歌曲集「C.ロセッティの4つの歌」)
 吉田映子、内藤里永子による日本語の訳詞です。