San Diego Serenade
San Diego Serenade
(Tom Waits)
◆サン・ディエゴ・セレナーデ◆
夜通し起きているまで、朝を見ていなかった
明かりを消すまで、日の光を見ていなかった
あまりに長く離れているまで、故郷を見ていなかった
歌が必要になるまで、そのメロディーを聴いていなかった
君を置き去りにするまで白い線を見ていなかった
苦境に捕まるまで、君が必要としてると分からなかった
いたずらに君を傷つけるまで、君を愛していると口にしなかった
ほとんど気がふれるまで、自分の心の琴線を感じていなかった
西に移住するまで、東の海岸を見ていなかった
君の胸がその光を映すまで、月の光を見ていなかった
誰かが盗もうとするまで、君の心を見ていなかった
君の頬を流れ落ちるまで、君の涙を見ていなかった
夜通し起きているまで、朝を見てはいなかった
君が明かりを消すまで、日の光を見てはいなかった
あまりに長く離れているまで、故郷を見てはいなかった
歌が必要になるまで、そのメロディーを聴いてはいなかった
※※※
大好きな歌、大好きな詩です。
このブログを始めた当初から、いつこの歌詞を紹介しようかとずっと考えていましたが、日本語にするとどうしても陳腐なものになってしまう気がして、ずっと訳を推敲し続けていました。
…けど、結局私にはこれ以上のものはできない、と諦めることにしたのでした。
難しいことは何も言っていないのに、心にずんとくる詩です。
トム・ウェイツ(Tom Waits)の歌声もこの歌にぴったり合っています。
この歌はナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)も歌っていますが、こちらもナンシーらしさと合わさって聞き応えのあるものになっています。
アマゾンで検索していて、外村伸二という人がこの歌の歌詞を日本語にして曲をつけて歌っているのを見つけました。(タイトルは同じく「San Diego Serenade」)
オリジナルにある悲哀感が少なく、しっとりというよりはさらりと歌っている印象でした。(試聴ボタンで聞いただけですけど…)
★2014/8/28
この歌をもう一度訳してみました。
http://d.hatena.ne.jp/threeleaves/20140828/1409237945
少し印象が変わっていると思います。