美しい歌 ~好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

The Roseville Fair

The Roseville Fair
(Bill Staines)


◆ローズヴィル・フェア◆


星の瞬く気持ちのいい夜だった
月は静かに空に昇っていた
人々は、バンドの演奏に合わせて集まって輪になっていた
僕の耳にその「ライ麦畑で」の歌の演奏が聞こえてくる


僕たちは一晩中踊っていた…バイオリンとバンジョーに合わせて
音楽は辺りに漂い、空気の中に満ちていた
ずっと昔のことだけど、今でも覚えている
僕たちが恋に落ちた時…ローズヴィルの祭りのことを


彼女は青いドレスで、とても素敵だった
まるで小さな町に咲いた愛らしい花だった
そこで君は僕の手を取り、音楽に合わせてステップを踏んだ
ほほえみを浮かべて…君は僕にとって世界そのものになった


そうして僕たちは素敵なカップルになった
僕たちは玄関前の揺り椅子で長い時間揺られていたものだ
君に出会ってから1年たって
君は僕のものになった…ローズヴィルの祭りで


この歌は総ての恋人達の歌
この曲は彼らのものにもなる
彼らが一晩中バイオリンとバンジョーに合わせて踊れますように
ローズヴィルの祭りの僕たちのように




※※※


「フェア(fair)」を辞書で調べると、「(定期的に開かれる)市」とか「品評会」などという意味が出てきますが、カーニバルや遊園地などが開かれたりするもっと心浮き立つニュアンスもあるもののようです。
それでここでは「祭り」と訳しました。
「ローズヴィル(Roseville)」という地名の「ヴィル」は、英語のヴィレッジ(village 村)にも通じる言葉で、ローズはバラです。ですので、この地名は「バラの村」というふうにも聞こえます。
「バラの村の祭り」 …素朴ですが明るい田舎の町が思い浮かびます。

曲調は、アメリカの田舎のお祭りのような雰囲気もあり、歌詞は恋人達の出会いを穏やかに歌っていて、少しセピアになった古いアルバムを眺めているような気分になります。

ライ麦畑で(Comin' Through the Rye)」はスコットランドの民謡です。
日本では「故郷の空」という曲で知られているメロディです。
こちらも若い男女の出会いを歌った歌です。


ローズヴィル・フェアは色々な人に歌われているようです。
ナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)が歌っている歌詞は、「僕」と「君」を、「彼」と「彼女」に変えていて、ほんの少し雰囲気が違います。
こちらも味わってみてください。



※※


星の瞬く気持ちのいい夜だった
月は静かに空に昇っていた
人々は、バンドの演奏に合わせて集まって輪になっていた
その「ライ麦畑で」の歌の演奏が耳に聞こえてくるようだよ


彼女は青いドレスで、とても素敵だった
まるで小さな町に咲いた愛らしい花だった
そこで彼は彼女の手を取り、踊りの音楽に加わった
ほほえみを浮かべて…彼女は彼の世界そのものになった



2人は一晩中踊っていた…バイオリンとバンジョーに合わせて
音楽は辺りに漂い、空気の中に満ちていた
ずっと昔のことだけど、2人は今でも覚えている
そこで恋に落ちたんだ…ローズヴィルの祭りで



そうして2人は素敵なカップルになった
2人は玄関前の揺り椅子で長い時間揺られていた
彼が彼女に出会ってから1年たって
彼女は彼のものになった…ローズヴィルの祭りで


★〔繰り返し)


この歌は総ての恋人達の歌
この曲はあなた達のものにもなりますよ
あなたが一晩中バイオリンとバンジョーに合わせて踊れますように
ローズヴィルの祭りのあの2人のように


https://youtu.be/V1lnNNXcBr4

 

ビル・ステインズ(Bill Staines)のオリジナルはこちらです。
ゆったりと歌っていて、かなり印象が違います。
もしかしてこちらの方が有名でしょうか?


https://youtu.be/cD8YkzPgPfs