美しい歌 ~好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

好きな歌の訳、解釈、若しくは雰囲気の紹介

Vincent (Starry, Starry Night)

Vincent (Starry, Starry Night)
(Don McLean)



◆ヴィンセント(星の夜)◆



星の降る夜 パレットを青と灰色に塗って
私の魂の中の闇を知る目で
夏の日を眺める
丘にかかる陰 木々やスイセンの花をスケッチして
とらえるのはそよ風に冬の寒さ
敷き詰められた雪の世界の色に




あなたが私に何を言いたかったのか、今はわかる
あなたは正気さを求めて、いかに苦しんだことか
そして彼らを解き放とうといかに努力したか
彼らは耳を傾けようとはしない そのやり方も知らなかった
でも、今にきっと聞いてくれるだろう




星の降る夜 まぶしく光る花が燃え
スミレ色のもやの中で雲が渦巻き
ヴィンセントのチャイナブルーの瞳に映る
移りゆく色合い 朝の黄金色の畑
風雨にさらされ苦痛で縁取られた顔
それらが芸術家の愛に満ちた手が癒やしていく




あなたが私に何を言いたかったのか、今はわかる
あなたは正気さを求めて、いかに苦しんだことか
そして彼らを自由にしようといかに努力したか
彼らは耳を傾けようとはしない そのやり方も知らなかった
でも、今にきっと聞いてくれるだろう




彼らはあなたを愛せなかったけど、あなたの愛は本物だった
そして希望がすべて消え去ったあの星の降る夜
あなたは自分の命をきめた それは恋人達がよく選ぶ道
でも私はあなたにこう言いたい、ヴィンセント
この世界はあなたみたいな美しい人向きではないのだよ




星の降る夜 からっぽのホールの肖像画たち
名もない壁にかけられた枠のない顔
瞳は世界を見つめ記憶をとどめる
まるでどこかであった異邦人のよう
ぼろを着たぼろの男
血色のバラの銀の刺が
まっさらの雪の上で崩れている




今ならあなたが私に言おうとしていたことがわかると思う
あなたが正気さを求めて、いかに苦しんだか
そして彼らを自由にしようといかに努力したか
彼らはあなたに耳を傾けようとしなかった
今でも聞こうとしないし、多分、これからも永遠に




※※※
2014-8-21 訳を大きく変えました。

これは2009年12月に載せた記事ですが、訳自体はさらに10年以上も前に深く考えずにノートに書き留めていたものを、ほとんどそのまま使いました。
今回、見直してみると間違いやら不十分なところやら、あれこれ多すぎることに気がつきました。
こんなものを5年にもわたって載せたままにしていたとは…。(^^ゞ
さすがにちょっとどうかと思ったので、元の訳をベースに大幅に作りなおしてみました。


念のため、昔の訳を引用されている方がいるかもしれないので、下の方(「続きを読む」の中)に以前のを置いておきます。


※※※以下、掲載当時書いた文章です。


画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに語りかける内容の歌です。
繰り返される「星の降る夜(Starry, starry night)」は、彼の傑作「星月夜(Starry Night)」を彷彿とさせます。
ゴッホは晩年は気が触れて自分の耳を切り落としてしまったといいますが、この歌では彼を「正気(Sanity)」と言い、彼こそが美しい魂の持ち主と呼んでいます。
そして彼を狂気と呼ぶのは、私たちの方が彼を理解していないから、と。

ウィキペディアゴッホのページ
「星月夜」や他の作品の画像があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%9B


 
 
※※※※
 
2009-12-13当時の訳です。
微妙に違う+間違いが多いので注意です。
 

 


◆ヴィンセント(星の夜)◆



星の降る夜 パレットを青と灰色に塗って
私の魂の中の闇を知る目で
夏の日を眺める
丘にかかる陰 木々やスイセンの花をスケッチして
そよ風を吸い込み、
雪の世界の色に、冬の寒さを感じる



あなたが私に何を言いたかったのか、今はわかる
あなたは正気さゆえに、いかに傷つけられたことか
そして彼らを解き放とうといかに努力したか
彼らは耳を傾けようとはしない
でも、いつかはきっと聞いてくれるだろう



星の降る夜 まぶしく光る花が燃え
スミレ色のもやの中で雲が渦巻く
ヴィンセントのチャイナブルーの瞳に反射する
次々変わっていく色合い 朝の黄金色の畑
苦しみが刻まれた顔
それらが芸術家の愛に満ちた手で塗られていく



あなたが私に何を言いたかったのか、今はわかる
あなたは正気さゆえに、いかに傷つけられたことか
そして彼らを自由にしようといかに努力したか
彼らは耳を傾けようとはしない
でも、いつかはきっと聞いてくれるだろう



彼らはあなたを愛せないけど、あなたの愛は本物
そして希望がすべて消え去ったあの星の降る夜
あなたは恋人達と同じ人生を選んだ
でもヴィンセント、あなたに言えたはず
この世界はあなたみたいな美しい人向きではないのだよ



星の降る夜 肖像画が1枚かかってるほかは何もないホール
名もない壁にかけられた枠のない顔
瞳は世界を見つめている
まるでどこかであった異邦人のよう
ぼろを着たぼろの男
血色のバラの銀の刺が
まっさらの雪の上で崩れている



今ならあなたが私に言おうとしていたことがわかると思う
あなたの正気さゆえに、いかに傷つけられたことか
そして彼らを自由にしようといかに努力したか
彼らはあなたに耳を傾けようとしなかった
今でも聞こうとしないし、多分、これからも永遠に